禅宗のルーツは、470年ごろインドから中国を訪れた達磨 (だるま) が開いた仏教の一派で禅師である菩提達磨が、禅宗の祖とされています。禅宗は、仏教と老荘思想との交流を通じ、座禅修道による簡明直截な安心の道として中国の唐代に盛んになり、その後、日本に伝わって鎌倉時代に大いに発展しました。 中国禅宗(南宗)の六祖で唐代の慧能(えのう)により純化確立され、中国仏教の主流となり、思想界に大きな影響を与えました。 その後、宋代には守成期にはいり、禅の主脈は日本に移りました。座禅や修行、功夫を重視し、「平常心」を追求し、個人の内面と外界環境が相互に融合することを目指しています。 鎌倉時代に宋の臨済(りんざい)・曹洞(そうとう)の二派が伝来し、江戸時代には黄檗(おうばく)宗が広められました。
Zen is believed to have its roots in Bodhidharma, a school of Buddhism founded by Bodhidharma, a Zen master who came to China from India around 470. The Zen sect flourished during the Tang Dynasty in China as a simple, straightforward way of reassurance by zazen monks through the interaction of Buddhism with the thought of Laozi and Zhuang, and then it was brought to Japan and developed greatly during the Kamakura period. It was purified and established by Eno in the Tang dynasty, the sixth founder of the Chinese Zen sect (Nanzong), and became the mainstream of Chinese Buddhism, which had a great influence on the world of thought. Then, in the Song dynasty, the Shusei period began, and the mainstay of Zen Buddhism moved to Japan. Focusing on Zen meditation, ascetic training, and meritorious service, it pursues a sense of normalcy and aims to achieve a mutual fusion of an individual's inner and outer environment. The two schools of the Song dynasty, Rinzai and Soto, were introduced during the Kamakura period, and the Obaku sect was popularized during the Edo period.
曹洞宗は、中国の禅宗五家(曹洞、臨済、潙仰、雲門、法眼)の一つで、唐時代の禅僧の洞山良价(とうざんりょうかい)を開祖としています。 日本における曹洞宗は、禅宗(曹洞宗・日本達磨宗・臨済宗・黄檗宗・普化宗)の1つで鎌倉時代に道元により伝えられ、鎌倉仏教の一つに数えられています。 道元禅師(どうげんぜんじ)が、正伝の仏法を中国から日本に伝え、 「瑩山禅師けいざんぜんじ」が全国に広められました。 このお二方が両祖で、ご本尊「お釈迦さま(釈迦牟尼仏)」とともに、「一仏両祖いちぶつりょうそ」として仰ぎます。 本山は永平寺(福井県)・總持寺(横浜市鶴見区)で、専ら坐禅に徹する黙照禅であることが特徴です。
The Soto sect is one of the five Zen schools (Cao Dong, Rinji? Yo, Unmon, Hogen) in China, founded by Tang Dynasty Zen priest Tozan Ryokai. The Soto sect in Japan is one of the Zen sects (Soto sect, Nihon Daruma sect, Rinzai sect, Obaku sect, and Fuke sect) and was introduced by Dogen during the Kamakura period, and is counted as one of the Kamakura Buddhist sects. Dogen Zenji introduced orthodox Buddhism from China to Japan, and "Keizan Zenji Keizan Zenji" spread throughout the country. These two are the two patriarchs, and together with the principal image of Buddha, Shakyamuni Buddha, they are referred to as Ippon Ryozo Ichibutsuryoso. Head temples are Eihei-ji Temple (Fukui Prefecture) and Soji-ji Temple (Tsurumi-ku, Yokohama City), and are characterized by the practice of mukusho-zen, which is devoted exclusively to zazen.
禅が伝えた道具・禅房十事(ぜんぼうじゅうじ)
禅椅(ぜんい):座禅を組む為の椅子
・蒲団(ふとん):座禅を組む時の敷物(曹洞宗は円形)
・?杖(しゅじょう):禅僧の使う杖
・払子(ほっす):虫を払う道具で、住職の説法の時に使う道具
・竹篦(しっぺい):住職が指導をする時の道具、長さ3尺
・香合(こうごう):焼香の道具で香木を入れる箱
・香炉(こうろ):焼香の時に使う道具
・坐具(ざぐ):袈裟が汚れ無いように礼拝の時に敷く布
・浄瓶(じょうびん):儀式の時に湯を注ぐ為に用いている
・茶盞(ちゃさん):茶を飲む道具、天目茶碗
拄杖・手杖(しゅじょう)
鎌倉時代に禅が日本に入って来た時から禅僧の道具として伝えられています。修行僧を雲水といい、雲水は険しい道を歩いて行脚しますその時の手助けとなるのが 杖である拄杖(しゅじょう)です。錫杖(しゃくじょう)との違いは、住職の説法の時にも使う道具とするところです。曹洞宗では、晋山という儀式の時に使います。
錫杖(しゃくじょう)
金属製の法具がついた杖で鎌倉時代に禅が日本に入って来た時から禅僧の道具として伝えられています。修行僧は錫杖を持って禅寺に入門します。掛錫(かしゃく)・留錫(りゅうしゃく)といいます。
両大本山(永平寺・總持寺)
曹洞宗は、お釈迦さまより歴代の祖師方によって相続されてきた「正伝の仏法」を依りどころとする宗派です。それは坐禅の教えを依りどころにしており、坐禅の実践によって得る身と心のやすらぎが、そのまま「仏の姿」であると自覚することにあります。 そして坐禅の精神による行住坐臥(「行」とは歩くこと、「住」とはとどまること、「坐」とは坐ること、「臥」とは寝ることで、生活すべてを指します。)の生活に安住し、お互いに安らかでおだやかな日々を送ることに、人間として生まれてきたこの世に価値を見いだしていこうというのです。(公式HP参照)
仏壇については、特に決まりはありませんが金仏壇を選ばれる方はほとんどいません。最近ではインテリアにマッチした現代風のデザインを求められる方が増えています。