宗教百科(知識、心得、作法、)

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仏教について

   
仏教は、インドで生まれた宗教であり、その創始者とされるのは、紀元前5世紀または4世紀にインドに現れたシャカ族の王子であるゴータマ・シッダールタ(釈迦牟尼)です。彼は後に仏陀(ブッダ)として知られるようになりました。 シャカ族の王子ゴーダマ・シッダールタ(神の脇の下から生まれたとされる)は苦しい修行を重ね、、幸福や苦しみの根本的な原因についての洞察を求め、苦行や瞑想の修行を重ねました。彼は、ゾロアスター教等さまざまな宗教的および哲学的影響を受けながらも、自身の経験と洞察に基づいて独自の教えを発展させました。 彼は、「四諦」と呼ばれる教義(苦諦、集諦、滅諦、道諦)や「八正道」(正見・正思惟・正語・正業・正命・正精進・正念・正定)など、人々が苦しみを解消し、悟りを開くための教えを説きました。また、彼の教えは「中道」として知られ、極端な苦行や快楽主義のいずれも否定し、心身の均衡と穏やかな生活を追求することを提唱しました。 仏教は、当時のインド社会におけるカースト制度やバラモンの思想(ウパニシャッド哲学)の不平等な体制に対する批判的な立場を取りました。仏教は階級や出自に関係なく、すべての人々が悟りを開く可能性を持っていると説き、人間の平等性を強調しました。そのため、仏教は社会的に広く支持を受け、多くの人々によって受け入れられていきました。 なお、インダス文明の先住民であるドラヴィダ人については、彼らの信仰や文化に関する詳細な情報が限られているため、彼らがインドにおけるバラモン教やカースト制度の前身であるバラモン教的な体制にどのように関与していたかは明確ではありません。仏教はバラモン教の教えに対するアンチとして生まれた宗教と言われる事もありますが、その関係は複雑であり、一概には言えません。
Buddhism is a religion that originated in India, and its founder is believed to be Gautama Siddhartha (Shakyamuni), a prince of the Shakya tribe who appeared in India in the 5th or 4th century BCE. He later became known as the Buddha. Prince Gautama Siddhartha, who belonged to the Shakya tribe (considered to be born from the side of God), underwent rigorous practices, seeking insight into the fundamental causes of happiness and suffering. He engaged in asceticism and meditation, influenced by various religious and philosophical traditions, and developed his own teachings based on his personal experiences and insights. He preached doctrines such as the "Four Noble Truths" (the truth of suffering, the truth of the origin of suffering, the truth of the cessation of suffering, and the truth of the path leading to the cessation of suffering) and the "Eightfold Path" (right view, right intention, right speech, right action, right livelihood, right effort, right mindfulness, and right concentration). These teachings aimed to help people alleviate suffering and attain enlightenment. Additionally, his teachings, known as the "Middle Way," rejected extreme asceticism and hedonism, emphasizing the pursuit of balance and tranquility in both mind and body. Buddhism took a critical stance against the caste system and the unequal system of Brahmanic thought (Upanishadic philosophy) prevalent in Indian society at the time. Buddhism taught that all individuals, regardless of their social class or origin, have the potential to attain enlightenment and emphasized the equality of all human beings. As a result, Buddhism gained broad social support and was accepted by many people. Regarding the Dravidian people, the indigenous inhabitants of the Indus Valley civilization, detailed information about their beliefs and culture is limited. Therefore, it is not clear how they were involved in the Brahmanical system or the precursor to the caste system in India. Buddhism is sometimes considered a counter-religion that emerged in opposition to the teachings of Brahmanism, but the relationship is complex, and it is difficult to categorize it simply as such.

※カースト制度:バラモン(司祭、僧侶)、クシャトリア(王族、武士)・ヴァイシャ(庶民)・スードラ(奴隷)
四姓のカースト制度がありいずれも神から生まれると信じられていたバラモン(神の頭から)、クシャトリア(脇の下)・ヴァイシャ(足の股)・スードラ(足首)
※ウパニシャッド哲学:ブラフマン(梵)とアートマン(我)との概念。
※アーリア人:中央アジアの草原地帯に暮らしていた遊牧民
   
十事非法(じゅうじのひほう)釈迦仏の入滅の100年後に起こった事件
根本分裂(保守派と現実派との対立で仏教が分裂)した原因の一つ。
従来の戒律緩和した十の除外例
(1) 塩に限って保存してもよい(2) 正午過ぎとしても一定時間なら食事をしてもよい(3) 他の村では食後もさらに食べて良い(4) 同じ境界内で別々に布薩(ふさつ)を行なっても良い(5) 他の教団で行なった羯磨 (かつま) を事後承認してもらっても良い(6) 習慣的に行われていることは実行しても良い(7) 酥,油,蜜などを混ぜたものは食事以外に飲んでも良い(8) まだ完全な酒の状態になっていないものは飲んでも良い(9) 坐具を自由な大きさにつくってもよい(10) 金銀をたくわえてもよい

日本の仏教について

   
仏教とは、仏陀(大宇宙の真理そのもの)が真理を説き教えた宗教で、開祖とされるのは、ゴータマ・シッダールタと言い、後にゴータマ・ブッダとも呼ばれました。仏教には、小乗仏教(上座部仏教)と、大乗仏教(東アジア系とチベット系) の2つがあります。日本に伝来したのは大乗仏教です。日本に仏教が伝来したのは、『日本書紀』では552(欽明天皇13)年に、百済の聖明王が 使いを遣わして伝えたとされています。仏教が6世紀半ばに公式に伝来したのち、8世紀の奈良時代から神仏習合が形成され、10世紀頃の平安後期に なって本地垂迹説が発生したと言われています。大乗仏教では密教と顕教に分かれており日本でも密教と顕教の形態があり、更に法然上人以後、仏教を分類し大別した呼称として聖道門(しようどうもん)と浄土門に二大別します。日本の仏教は様々な歴史を経て発展し現在に至ります。そんな日本の伝統的な宗派をご紹介します。


Buddhism is a religion in which the Buddha (the embodiment of ultimate truth) taught and imparted his teachings. Its founder is believed to be Gautama Siddhartha, also known as Gautama Buddha. There are two major branches of Buddhism: Theravada Buddhism (also known as Hinayana Buddhism) and Mahayana Buddhism (including East Asian and Tibetan traditions). Mahayana Buddhism is the branch that was transmitted to Japan. According to the “Nihon Shoki” (Chronicles of Japan), Buddhism was said to have been introduced to Japan in the year 552 (during the reign of Emperor Kinmei) when the king of Baekje sent an envoy to propagate the teachings. After Buddhism was officially introduced in the mid-6th century, the syncretism of Shinto and Buddhism began to take shape during the Nara period (8th century), and the concept of honji suijaku (the theory of original ground and manifested traces) emerged around the late Heian period (10th century). In Mahayana Buddhism, there are both esoteric (secret) and exoteric (public) teachings, which also exist in Japan. Furthermore, since the time of the Buddhist monk Honen, Buddhism has been classified into two major sects: Shingon (esoteric) and Jodo (Pure Land). Japanese Buddhism has undergone various historical developments and has reached its present state. Let me introduce you to some of the traditional sects of Buddhism in Japan.
※ブッダは「悟った人」の意味でも使われ、特定の一人に限らない。
※小乗仏教(上座部仏教):自分が救われるために修行し悟りを得るというもので、スリランカ、ミャンマー、タイ、カンボジア、ラオスなど南方の国々に現存しています。
※大乗仏教:もっと悩みをもった大勢の人々を救うべきであるという考え。(救済しながらも自らも悟りを得る為に修行はする。)中国、韓国、日本、モンゴル、チベット、ベトナムなど北方の国々国々に現存しています。
※本地垂迹説〔ホンヂスイジヤク〕(神は仏が仮の姿をとってこの世に現れたものであるとされています)
※衆生救済のために説いた教えを顕教といいます。真理そのものの現れであるとされる大日如来が説いた秘密の教えを密教といいます。
※聖道門:聖道門は自ら知恵をみがき,煩悩を断じて、この世で悟りを開こうとするもの
※浄土門:自らの力によらず阿弥陀仏の本願を信じ,それにすがって極楽浄土に生まれようとするも

仏教の十三宗

   
日本の主な宗派: 真言宗・天台宗・日蓮宗・浄土宗・浄土真宗・融通念仏宗・時宗・臨済宗・曹洞宗・黄檗宗・華厳宗・律宗・法相宗

真言宗(しんごんしゅう)

派:真言宗十六派(十八本山)
標準掛軸:不動明王・大日如来・弘法大師
開祖:空海 弘法大師 774-835

天台宗(てんだいしゅう)

派:日本天台三総本山
標準掛軸:伝教大師・阿弥陀如来・天台大師
開祖:最澄 伝教大師 767-822

日蓮系宗派(にちれん)

派:一致派・勝劣派 
標準掛軸: 大黒天・曼荼羅 ・鬼子母神
開祖:日蓮 立正大師 1222-1282

浄土宗(じょうどしゅう)

派:浄土宗六派  
標準掛軸:法然上人・阿弥陀如来・善導大師
開祖:法然房源空 円光大師 1133-1212

浄土真宗(じょうどしんしゅう)

派:浄土真宗10派・標準掛軸:蓮如上人/九字名号・阿弥陀如来/六字名号 ・親鸞聖人/十字名号・開祖:親鸞 見真大師 1173-1262

融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)

派:総本山大念佛寺
標準掛軸:法明上人・十一尊天得如来・良忍上人
開祖:良忍 聖應大師 1072-1132

時宗(じしゅう)

派:時宗十二派
標準掛軸:真教上人・阿弥陀如来・一遍上人
開祖:智真 証誠大師 1239-1289 一遍

臨済宗(りんざいしゅう)

派:臨済宗15派
標準掛軸:観音菩薩/臨済義玄禅師・釈迦如来・達磨大師
開祖:臨済義玄禅師 生年不詳 - 867年

曹洞宗(そうとうしゅう)

派:両大本山(永平寺・總持寺)
標準掛軸:常済大師・釈迦如来・承陽大師
開祖:道元 承陽大師 1200-1253

黄檗宗(おうばくしゅう)

派:一派本山,黄檗山万福寺
標準掛軸:隠元 釈迦如来 達磨大師
開祖:隠元 真空大師 1592-1673

華厳宗(けごんしゅう)

東大寺(奈良県)
華厳宗は僧侶が亡くなられた方の葬儀や法要を行わないため、戒名や仏壇、お墓などはほかの宗派の僧侶へ依頼する(主に真言宗)
開祖:杜順(557年-640年)

律宗(りっしゅう)

律宗ではご本尊が特に決まっていません
僧侶が亡くなられた方の葬儀や法要を行わないため、葬儀をする場合は、戒名や仏壇、お墓などはほかの宗派の僧侶へ依頼する
開祖:鑑真

法相宗(三論宗・倶舎宗・成実宗 ・聖徳宗・北法相宗)

檀家がない南都六宗の僧侶は亡くなられた方の葬儀や法要を行わないため、戒名や仏壇、お墓などはほかの宗派の僧侶へ依頼する

他(普化宗・四天王寺・修験宗/修験道)

葬儀、仏壇等は各本山に相談されるか、戒名や仏壇、お墓などは相性の良い宗派の僧侶へ依頼する

他(単立寺院)

お祀りされる本尊や葬儀、仏壇等は各本山に相談されると良い。

南都六宗について

   
南都六宗は、奈良時代に栄えた「六つ」の仏教宗派です。三論宗(さんろんしゅう)・成実宗(じょうじつしゅう)・法相宗(ほっそうしゅう)・倶舎宗(くしゃしゅう)・華厳宗(けごんしゅう)・律宗(りっしゅう) 南都六宗は、宗派として独立したものではなく、仏教の教義を相互に学び合う学派的存在でした。奈良時代の初期は東大寺を中心に戒律がまもられました。
※南都六宗には檀家制度がありません
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ランキング

   
都道府県別の寺院数ランキングを第1位から第10位(2018年)徐々に減少しています。
1.愛知県: 4,596(人口当たり29位)・2.大阪府: 3,395(人口当たり40位)・3.兵庫県: 3,286(人口当たり30位)・4.滋賀県: 3,215(人口当たり1位)・5.京都府: 3,074(人口当たり13位)・6.千葉県: 3,015(人口当たり35位)・7.東京都: 2,889(人口当たり46位)・8.新潟県: 2,796(人口当たり29位)・9.静岡県: 2,641(人口当たり29位)・10.福岡県: 2,380(人口当たり36位)

葬儀全般

日本の葬儀は主に仏教ですが、社会人としてのマナーとして神道・キリスト教等の情報も集めました

仏壇・作法・心得

仏の教化。仏教の行事・法事・法要。仏壇は仏を祀る壇、起源は持仏堂・魂棚など所説あります。社会人としてのマナーとしてご紹介します。

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