仏壇・法要・仏事・作法全般
1.仏壇について
仏壇について
仏壇とは、ご本尊様をお祀りし、信仰するためのものです。
仏壇の起源について日本古来の祖霊崇拝的な考え方として
民族学者の柳田国男は、先祖や新仏を迎えるための祭壇を精霊供養の観点から「魂棚(たまだな)」とよび、仏壇の起源の源流と考えました。仏教的な仏壇の起源としては
天武天皇が「諸国の家毎に仏舎を作り、乃ち仏像及び経を置きて礼拝供養せよ」との詔を出し、現在毎月27日を「仏壇の日」に制定しています。
位牌の普及は
鎌倉時代に禅僧たちによって日本に位牌が伝来し一部の家では位牌棚を設置して、先祖を祀ったといわれいます。その後、
浄土真宗8代目の門主蓮如は自筆の六字名号(南無阿弥陀仏)の掛軸を信徒に授けて仏壇に祀ることを推奨。浄土真宗の仏壇は、阿弥陀経をはじめとする経典で描写されている極楽浄土を模したものとなりました。
一部上流階級では江戸時代前から持仏堂(仏壇)はあったようですが、仏壇が一般的に普及したのは江戸時代の寺請制度からのようです。
寺請制度とは、江戸幕府がキリスト教や日蓮宗不受不施派などの信徒でないことを,寺院に証明させる制度です。土地に移る場合、寺請証文が必要だった為、必ずどこかの寺院の檀家にならなければなりませんでした。
菩提寺の僧侶から死者に戒名が与えられ、それを置く箱型の仏壇の設置が一般化しました。
現代においては、宗教・宗派だけでなく個人の考え方によって様々な形態になっており仏壇は、亡くなった方のご供養をするためのものと考える人が増えてきました。今後、ライフスタイルに合わせてお仏壇とお付き合いされる方が、増加していくと思われます。
A butsudan is a place to enshrine and worship the principal image of a Buddhist temple.
The origin of butsudan as an ancient Japanese idea of ancestor worship.
Ethnologist Kunio Yanagida called the altar for welcoming ancestors and new Buddhas “tamadana” from the perspective of spirit offerings, and considered it to be the origin of butsudan. As for the origin of Buddhist altars in the Buddhist tradition
Emperor Temmu issued a decree that “every household in every country should build a Buddhist altar and place Buddhist statues and sutras on it for worship and memorial services,” and the 27th of every month is now designated as “Butsudan Day.
The spread of Buddhist tablets
In the Kamakura period (1185-1333), Zen monks introduced Buddhist tablets to Japan, and it is said that some houses had shelves for tablets to enshrine ancestors. After that, the first ancestral tablets were introduced to Japan by Zen priests in the Kamakura period,
Rennyo, the eighth head priest of Jodo Shinshu, gave his followers hanging scrolls of the six-character name (Namu Amidabutsu) in his own handwriting and encouraged them to enshrine them on Buddhist altars. Jodo Shinshu altars began to imitate the Paradise described in the Amida Sutra and other scriptures.
Although some of the upper classes had their own butsudan (Buddhist altar) before the Edo period, butsudan did not become commonplace until the Edo period (1603-1868), when the temple contract system was introduced.
The temple contract system was a system under which the Edo shogunate required temples to certify that they were not adherents of Christianity or the Nichiren Shoshu non-receptionist school of Buddhism. When moving to a land, one always had to become a parishioner of one of the temples because a temple certificate was required.
The priests of the family temple would give the deceased a commandment name, and the installation of a box-shaped Buddhist altar on which to place it became commonplace.
In the modern age, butsudan altars take various forms, depending on the religion and sect as well as the individual's way of thinking, and an increasing number of people consider butsudan altars to be for the memorial service of the deceased. In the future, the number of people who use butsudan in accordance with their lifestyles is expected to increase.
仏壇の種類
従来仏壇について
- 金仏壇
- 唐木仏壇
都市型仏壇について
- 現代・家具調仏壇
仏壇の種類
金仏壇
gold-brocade Buddhist altar
金箔や金粉を施す各宗派の本山寺院の本堂(内陣)を模している。そのため、宗派により造作が異なる。浄土真宗では、金仏壇が推奨
唐木仏壇
Karaki Buddhist altar
唐木(シタン、コクタン、タガヤサンなど)が使用された仏壇の総称
都市型仏壇・家具調仏壇
Furniture-style Buddhist altar
従来仏壇と異なり、家具のようなデザインを採用している。
- 金仏壇
- 産地によってデザインに特徴があります。
主な産地:山形仏壇・新潟・白根仏壇・三条仏壇・長岡仏壇・飯山仏壇・三河仏壇・名古屋仏壇・金沢仏壇・七尾仏壇・彦根仏壇・京仏壇・大阪仏壇・広島仏壇・八女福島仏壇・川辺仏壇
- 唐木仏壇
- 産地によってデザインに特徴があります。
主な産地:東京唐木仏壇・大阪唐木仏壇・徳島仏壇・静岡仏壇 主な材質:黒檀・紫檀・鉄刀木・桑・ケヤキ・屋久杉・桜
- 現代仏壇・家具調仏壇
- :自由なデザイン:ガラス扉・ステンドグラス扉・壁掛け等デザインが斬新で照明はLED照明を使用したものが多い。
仏壇の材質について
- 黒檀
- 黒檀(コクタン、英: ebony)とは、カキノキ科カキノキ属の熱帯性常緑樹のことです。その名前の通り、非常に黒くて堅い木材で、耐久性や音響性に優れています。インドやスリランカなどの南アジアからアフリカにかけて広く分布していますが、成長が遅く希少性が高いため、銘木として珍重されてきました。
全体的に真っ黒なセイロン・エボニー(本黒檀)と、縞模様が特徴的なマッカサル・エボニー(縞黒檀)の2種類があります。2黒檀は、古代からピラミッドの副葬品や正倉院の宝物などに使用されてきました。ピアノの黒鍵や弦楽器の指板などの楽器や、仏壇や仏具などの小物にも加工されています。邪気を寄せ付けないという意味があり、数珠やパワーストーンとしても人気があります。
その美しさと希少さから高価な木材ですが、違法伐採の問題もあります。特にアフリカン・エボニーは、ワシントン条約の附属書IIに登録されており、輸入する際には生産者の販売証明書類の提出が必要です。
- 紫檀シタン
- 紫檀(シタン、英: Rosewood)とは、マメ科ツルサイカチ属の熱帯性常緑樹のことです。赤紫色から紫色を帯びた暗褐色の美しい木肌で、黒紫色の縞模様があります。重くて硬くて耐久性に優れた木材で、家具や仏壇、仏具などに使われます。黒檀や鉄刀木と共に唐木三大銘木に数えられます。
全体的に真っ黒なセイロン・エボニー(本紫檀)と、縞模様が特徴的なマッカサル・エボニー(縞紫檀)の2種類があります。インドやスリランカなどの南アジアからアフリカにかけて広く分布していますが、成長が遅く希少性が高いため、銘木として珍重されてきました。
その美しさと希少さから高価な木材ですが、違法伐採の問題もあります。特にブラジル産のブラジリアン・ローズウッドは、資源保護のため、ワシントン条約によって天然木の取引が制限されています。
- 鉄刀木
タガヤサン
- 鉄刀木(タガヤサン、英: Bombay black wood)とは、マメ科の熱帯性常緑樹のことです。非常に重くて硬い木材で、耐久性や光沢に優れています。インドや東南アジアなどに広く分布していますが、成長が遅く希少性が高いため、銘木として珍重されてきました。
心材は、白茶色から黒褐色のものまでありますが、一般的には黒褐色に黄褐色の帯が並行に走っているものが多く見られます。紫檀や黒檀と共に唐木三大銘木に数えられます。唐木とは、中国や東南アジアなどから輸入される高級木材の総称です。
その美しさと希少さから高価な木材ですが、乾燥に狂いやすく、加工も困難です。家具や仏壇、ステッキやブラシの柄などの装飾的な用途に用いられます。タイやラオスなどでは、タガヤサンの花や葉を食用にすることもあります。
- 檜ヒノキ
- 檜(ヒノキ、英: Hinoki cypress, Japanese cypress)とは、ヒノキ科ヒノキ属の常緑針葉樹のことです。日本の固有種であり、本州の福島県以南から九州の屋久島まで分布しています。色が白く、加工が比較的容易な上に狂いが少なく、耐水性や耐朽性に富んで光沢があります。 古代から神事や建築などに使用されてきました。
檜は、その美しさと希少さから高価な木材ですが、違法伐採の問題もあります。
- 欅ケヤキ
- 欅(ケヤキ、英: Japanese zelkova)とは、ニレ科ケヤキ属の落葉広葉樹のことです。日本では代表的な広葉樹の一つで、枝ぶりが整った樹形が好まれて植栽や街路樹にも使われます。
北海道以外の本州、四国、九州のほぼ全域に生育しています。中国、朝鮮半島などの東アジアにも分布しています。神社やお寺の境内など様々な場所で見ることができます。欅は、花期は4~5月頃で、雌雄同株・雌雄異花です。秋には紅葉(黄葉)が美しく、各木によって赤や黄色など異なる色に染まります。
重硬で非常に硬くて強い木材です。木目が美しく、磨くと光沢が出ます。耐水性・耐久性に優れており、建築・家具・彫刻・仏像彫刻などに利用されています。乾燥に時間がかかり、反りや狂いが起きやすいというデメリットもあります。高価な木材であるため、費用も高くなります。
- 杉スギ
- 杉とは、ヒノキ科スギ亜科スギ属の常緑針葉樹のことです。日本の固有種であり、本州の青森県以南から九州の屋久島まで分布しています。杉は日本で最も多く植林されている樹種で、建築材や家具などに利用されています。その名前の由来は「真直ぐの木」から来ていると言われます。環境によって形態や性質が異なる変種があります。たとえば、日本海側に分布するウラスギは、太平洋側に分布するオモテスギよりも針葉が短くて太く、株立ちするものもあります。日本の文化を支えてきた木であり、正倉院の宝物などにも使用され空気を浄化する効果もあると言われています。
- 屋久杉
- 屋久杉とは、鹿児島県の屋久島で育った樹齢1000年以上の巨大な杉のことです。スギの一種で、日本の固有種とされています。栄養の少ない花崗岩の山地に生えるため、成長が遅く木目が詰まっています。そのため、耐久性や光沢に優れた木材として利用されてきました。縄文杉や紀元杉などの名木があり、世界遺産に登録された屋久島の自然景観の重要な要素です。
- 栗クリ
-
栗(クリ、英: Japanese Chestnut)の木は、ブナ科クリ属の落葉性高木で、日本の固有種です。日本では代表的な広葉樹の一つで、枝ぶりが整った樹形が好まれて植栽や街路樹にも使われます。
果実は単に「クリ(栗)」と呼ばれ、食用や製菓などに利用されます。重硬で非常に硬くて強い木材です。木目が美しく、磨くと光沢が出ます。耐水性・耐久性に優れており、建築材や家具などに利用されています。
栗の木は、古くから丈夫な木材として使われ、現在でも建築はもちろん、枕木、土木など多くの場所で使われ、世界遺産の合掌造りの主要部材としても使われています。
- ウォールナット
- ウォールナットの木は、世界三大銘木に数えられる高級木材で、、クルミ科クルミ属の落葉広葉樹で、日本ではクルミと呼ばれます。紫色を帯びた深い暗褐色の木目が美しく、重厚感と高級感を漂わせます。重くて硬くて丈夫な木材で、耐久性や衝撃に強いです。
狂いが少なく加工性に優れており、家具や楽器などに幅広く使用されています。
経年によって色味が変化し、より鮮やかな木目や光沢が出ます。独特の色が美しい人気の木材です。
- 桑クワ
- (クワ、英: Mulberry)
クワ科クワ属の落葉性高木で、日本ではクワと呼ばれます。日本では古くから養蚕や染色などに利用されてきました。 桑の木の葉はカイコの飼料として重要で、桑の木の樹皮や根は染料として使われます。
軽くて柔らかくて加工しやすい木材で、家具や細工物などに用いられます。 また、燃えにくく、火事に強いという特徴があります。
花期は4~5月頃で、雌雄同株・雌雄異花です。 花は目立たない小さな穂状花で、果実は赤紫色に熟します。 果実は単に「クワ(桑)」と呼ばれ、食用や酒造りなどに利用されます。
- オーク材
- オーク材とは、ブナ科ナラ属の落葉広葉樹の木材のことです。 重くて硬くて強い木材で、耐久性や防水性に優れています。 木目が美しく、磨くと光沢が出ます。 オーク材は、家具や建築材や船舶などに幅広く利用されています。
オーク材には、白樺や赤樺などの色や性質によって分類される種類があり、樹齢や生育環境によっても品質が異なります。 オーク材は、世界中に分布していますが、特にヨーロッパ産のオーク材は高品質で高価な木材として知られています。
- ヒッコリー
- ヒッコリーの木とは、クルミ科ペカン属の落葉広葉樹のことです。 北アメリカや東アジアに分布しており、日本ではカリンやシャグバルカンなどが知られています。 その名前の由来はアメリカ先住民の言葉で「くるみ」を意味する「pawcohiccora」から来ていると言われます。
重くて硬くて強い木材で、耐久性や弾力性に優れています。 木目が美しく、磨くと光沢が出ます。 ヒッコリーの木は、家具や建築材やスポーツ用品などに幅広く利用されています。 また、ヒッコリーの木は燃えにくく、煙が少ないため、燻製や暖房にも使われます。
花期は4~5月頃で、雌雄同株・雌雄異花です。 花は目立たない小さな穂状花で、果実は堅い殻に包まれた堅果です。 果実は単に「ヒッコリーナッツ」と呼ばれ、食用や油などに利用されます。
- 桜サクラ
-
桜(サクラ、英: Cherry blossom)バラ科サクラ属の落葉広葉樹の木材のことです。 桜の木材は、日本では代表的な広葉樹の一つで、日本各地に自生しています。
淡い桃色から赤褐色の美しい木肌で、重くて硬くて丈夫な木材です。 木目が細かく、磨くと光沢が出ます。 耐久性や耐水性に優れており、建築材や家具などに利用されています。
古くから日本の文化や伝統に深く関わってきました。 桜は日本人にとって象徴的な花であり、春の訪れを告げるものとして親しまれています。 桜は花期は3~5月頃で、種類によって白やピンクなど様々な色や形の花を咲かせます。
桜の木材は、その美しさと希少さから高価な木材ですが、違法伐採の問題もあります。
- サペリ材
- 産地はアフリカで美しい色と杢(もく)が特徴です。時間経過で赤褐色へと変化する木材で、高級感ある美しい色をしています。リボン杢というストライプ状の模様が特徴です。
マホガニー科の熱帯性常緑樹のです。アフリカの西部から中部にかけて広く分布していますが、成長が遅く希少性が高いため、銘木として珍重されてきました。
赤褐色から紫褐色の美しい木肌で、重くて硬くて強い木材です。 木目が細かく、磨くと光沢が出ます。 耐久性や耐水性に優れており、家具や建築材や楽器などに利用されています。
仏壇の方向(一般的に言われていること地域よって違いがあります)
- 南面北座説(なんめんほくざせつ):曹洞宗・臨済宗
- 西方浄土説(さいほうじょうどせつ)浄土真宗・浄土宗・天台宗
- 本山中心説(ほんざんちゅうしんせつ):真言宗
- 決まりがない:日蓮宗
仏壇の向きや置き場所には、僧侶や宗教・宗派の考え方によって異なりそれぞれに意味がありますが、一方では仏教には仏様は十方どの方角にもいらっしゃるので、仏壇を設置する方角に吉凶は無いともいわれます。俗説的な事も多く、最近では気にされ無い方が多いようです。大切な事は御本尊様やご先祖様を敬う心です。
仏壇の作法
- 仏壇の上に物を置かない
- 神棚と向かい合わせになる場所は避ける
- 床の間と向かい合わせに置くのは避ける
- お参りする際に本尊が目上になるように置く
◎仏壇保護
- 直射日光を避ける。
- エアコンの風を直接受けないようにする。
仏壇の飾り方(従来仏壇)
- 最上段の中央にご本尊をお祀りし、その左右には宗祖名号の描かれた掛け軸をかけます。
- 位牌は、ご本尊が隠れないように、一段低い上座である右側に安置します。
- 次の段では、中央に仏器膳を置いて仏飯器・茶湯器を置きます。その左右に高月を配置します。
- 最下段には、花立、香炉、火立、リンなどを配置するのが一般的です。
瓔珞について
寺院や仏壇など天蓋などの荘厳具として用いられることがあります。瓔珞は仏壇を美しく装飾するとともに魔除けの役割も果たすと言われています。
宗派によって瓔珞の種類や飾り方が異なり、漢字には「瓔」=「珠のような石・首飾り」、「珞」=「まとう」という意味が
基本的には一対、もしくはそれ以上の数を用いて仏壇の内部をきらびやかに装飾するために用いられる。蓮の花をモチーフにしたものが多い。
「隅瓔珞(すみようらく)」天台宗・真言宗・浄土宗・浄土真宗本願寺派・曹洞宗・時宗・臨済宗・日蓮宗
「輪灯瓔珞」真宗大谷派
「輪灯」浄土真宗系の各宗派
主な仏壇の心得
真言宗(しんごんしゅう)
本尊:不動明王・大日如来・弘法大師
茶湯器/ご飯:山のように盛る・茶湯器
位牌:本尊が隠れないように一段下に安置する
線香:三本/焼香3回
天台宗(てんだいしゅう)
本尊:伝教大師・阿弥陀如来・天台大師
茶湯器/ご飯:山のように盛る・茶湯器
位牌:本尊が隠れないように一段下に安置する
線香:三本/焼香1回または3回
日蓮宗(にちれんしゅう)
本尊:大黒天・曼荼羅 ・鬼子母神
茶湯器/ご飯:山のように盛る・茶湯器
位牌:本尊が隠れないように一段下に安置する
線香:一本/焼香1回または3回
浄土宗(じょうどしゅう)
本尊:法然上人・阿弥陀如来・善導大師
茶湯器/ご飯:山のように盛る・茶湯器
位牌:本尊が隠れないように一段下に安置する
線香:三本・線香:1本(1本を2本に折って寝かせる場合あり)/焼香3回
浄土真宗(じょうどしんしゅう)
本尊:九字名号・阿弥陀如来・十字名号
ご飯の形:(西)ハスのつぼみ,(東)ハスの実
線香:本願寺:派寝かし線香
大谷派:火が向かって左
融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)
本尊:法明上人・十一尊天得如来・良忍上人
茶湯器/ご飯:山のように盛る・茶湯器
位牌:本尊が隠れないように一段下に安置する
線香:一本
時宗(じしゅう)
本尊:真教上人・阿弥陀如来・一遍上人
茶湯器/ご飯:山のように盛る・茶湯器
位牌:本尊が隠れないように一段下に安置する
線香:三本
臨済宗(りんざいしゅう)
本尊:臨済義玄禅師・釈迦如来・達磨大師
茶湯器/ご飯:山のように盛る・茶湯器
位牌:本尊が隠れないように一段下に安置する
線香:一本/焼香1回
曹洞宗(そうとうしゅう)
本尊:常済大師・釈迦如来・承陽大師/一仏両祖のお絵像
茶湯器/ご飯:山のように盛る・茶湯器
位牌:本尊が隠れないように左右に安置する
線香:一本線/焼香2回
黄檗宗(おうばくしゅう)
本尊:隠元 釈迦如来 達磨大師
茶湯器/ご飯:山のように盛る・茶湯器
位牌:本尊が隠れないように一段下に安置する
線香:一本
華厳宗(けごんしゅう)
本尊:盧遮那仏・釈迦如来
茶湯器/ご飯:山のように盛る・茶湯器
位牌:本尊が隠れないように一段下に安置する
線香:一本
律宗(りっしゅう)
本尊:毘盧遮那仏
茶湯器/ご飯:山のように盛る・茶湯器
位牌:本尊が隠れないように一段下に安置する
線香:一本
法相宗(ほっそうしゅう)
本尊:釈迦如来
宗教儀礼としてのお葬式を行っていない法相宗
他の宗派での葬儀される事が多く仏壇の決まりも特にございません
南都六宗について
法相宗を含め、南都六宗には檀家制度がありません
御本尊・脇侍(掛け軸)
最上段の中央に仏像もしくは掛け軸をご本尊をお祀りし、両脇に宗派で定められた主に祖師像(宗祖)もしくは名号の描かれた掛け軸を祀ります。「祖師」は本尊(如来)の補佐の役目をもち、主に「菩薩」「明王」「天部」に分かれ両脇に祀る祖師像は「脇侍(きょうじ・わきじ)」と呼ばれます。本尊が、掛け軸の場合は、脇侍として使われる掛け軸のことを「脇掛け」と言います。
- 「曼荼羅」を本尊にもつ日蓮宗は掛け軸を用います
- 一般的には浄土真宗ではどちらかと言うと、仏像よりも掛け軸の絵像を用います
- 十三仏掛け軸について:お盆・お彼岸・ご法事で飾られ、十三の仏様に守られて極楽浄土に導かれ成仏するといわれています。
宝号三唱
仏・菩薩の名号を、宝のごとく尊いとの意味で宝号と言い、その宝号を仏・菩薩の名を三回となえること
2.お位牌について
お位牌について
亡くなられた方の魂が宿る木の板『依代(よりしろ)』とされています。
亡くなられた方の戒名や亡くなられた日付け・俗名(生前の名前)が書かれています。
四十九日(七七日)までは「仮の位牌(白木の位牌)」
四十九日後は「本位牌」になりますので四十九日までに作り替えます。
※浄土真宗では、魂という概念は教義により無く位牌はございません。※高田派では、法名軸はかわりに位牌か過去帳を使用します。
※依代(よりしろ)とは神霊が依り憑く(よりつく)対象物
■位牌の種類
白木の位牌(内位牌):葬儀の際に用いる白木の簡素な位牌。
本位牌:忌明け後、仏壇にお飾りするのは、内位牌(仮位牌・白木位牌)から本位牌になる。
寺位牌:寺院やその寺院の本山に、供養をお願いしておさめる位牌 。
野位牌:墓石に文字が刻むまでの間にお墓に置く白木の位牌。
繰り出し位牌:戒名等が書かれた札が、複数枚納められ、お位牌が増えた時にお位牌をまとめるために用いられます。
(札板について)
※表面:梵字/戒名、没年月日、裏面:俗名と享年
※順番:一枚目は「〇〇家先祖代々之霊位」二枚目以降は、命日が近い順
過去帳:霊魂が宿ってはいない。、先祖の戒名(法号・法名)・俗名・歿年月日・享年などを記載した帳簿で、家の系譜になる。
※浄土真宗では、法名を紙に記すか、それを軸装して「法名軸」用いる。略式である「過去帳」を使用する場合もある。(「法名軸」・「過去帳」なども礼拝の対象としては用いない。)
■位牌の形状や素材の種類
塗位牌:塗位牌とは木地の上に漆塗りを施して仕上げた位牌。
唐木位牌:黒檀や紫檀で仕上げた位牌。
蒔絵位牌:表面に「蒔絵」を施した位牌。
モダン位牌:現代風なデザインのモダンな位牌。
戒名とは
基本的には「院号/院殿号・道号・戒名・位号」の順番で構成され,仏の弟子になったことをあらわす名前です。
真言宗では梵字・院号・道号・戒名・位号から構成されます。
天台宗では、院号・道号・戒名・位号から構成されます。
曹洞宗・臨済宗(禅宗)では、院号・道号・戒名・位号から構成されます。
日蓮宗では、院号・道号・日号・位号から構成されます。
浄土宗では院号・誉号(よごう)・戒名・位号から構成されます。
※浄土宗西山派では、誉号の代わりに空号となります。
※浄土宗名越派では、誉号の代わりに良号となります。
浄土真宗では院号・釋号・法号から構成されます。(魂の概念は無く戒名も無く仏弟子としては法名がございます。)
※法名は「釋○○」といった形が通常で、これに「○○院」がつくと「○○院釋○○」といった形で院号法名となります。位牌が無く法名軸や過去帳に書かれます。
※高田派では、法名軸・位牌か過去帳を使用します。
- 院号:生前にお寺や布教に尽くした人に与えられます。戒名の一番上に置くものです。
- 道号:二文字の戒名の上につけられるもう一つの名前で、二文字です。
- 位号:戒名の下につけられます。
位の高い順に、大居士・清大姉、居士・大姉、禅定門(主に浄土宗)・禅定尼、清信士・清信女、信士・信女です。
子どもは、童子・童女、孩子・孩女、嬰子・嬰女です。
- 冠字・冠字:戒名の上にある「空」「妙法」「法名」などです
- 上文字:「新円寂」「新帰元」「遷化」など。
- 置字:戒名の下にある「霊位」「位」など。
- 浄土真宗では法名といいます。浄土真宗では戒を受けることがなく、仏弟子として法名と呼びます。
※法名は「釋○○」といった形が通常で、これに「○○院」がつくと「○○院釋○○」といった形で院号法名となります。多くは位牌が無く法名軸・過去帳に書かれます。(一部の派では位牌があります。)
※浄土真宗では釋号として男性であれば「釈」という文字を、女性であれば「釈尼」という文字を付けます。
※浄土真宗では法名の下に、居士・大姉・信士・信女・位・霊位・不退転などはつけません。
- 浄土宗では、五重相伝を受けたものとして誉号を付けますが、院号と道号の間に誉を付ける事もあります。
- 日蓮宗は、法号(戒名の2字の変わり)と呼ます。
※日号の一字は日蓮上人の法を受け継ぐ意味をもって「日」を用います。
位牌書き方
■梵字について■
梵字を入れる事もありその場合は、位牌の上部に記号で梵字をいれます。。
【真言宗・天台宗】:「大日如来(だいにちにょらい)」の「ア」を入れます。
【浄土宗・天台宗】:「阿弥陀如来(あみだにょらい)」の「キリーク」を入れます。
【日蓮宗】:冠字として「妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)」からとった「妙法」の二文字を入れる事もあります。。
【曹洞宗・臨済宗(禅宗)】:冠字として成仏をしたという意味の「空」入れる事もあります。。
※梵字(種字)一文字では神仏を表します。
主な梵字、【キリーク】<千手観世音菩薩><阿弥陀如来>【ア】<大日如来><日光菩薩>
位牌の年齢表記について
【行年】・【享年】のどちらを用いても問題ありません。(寺院によってまちまちのようです)
【行年】:生涯を通じて懸命に【修行】を続けた尊い年数。
【享年】:天から享(う)け命をまっとうした年数。
古くは【行年】・【享年】共に数え年だったそうですが、享年は【数え年】、行年は【満年齢】とされている説もあります。現在では満年齢を使用するのが一般的で、
特に仏教的な理由でどちらと決められているわけでは無いそうで、お寺様に確認されるのが無難なようです。
年齢表記:歳か才かについては【歳】を表記するのが無難なようですが、【享年】はどちらも付けないとされている場合もあります。
数え年とは:その年の誕生日を迎えていない場合:【満年齢+2歳】となり、その年の誕生日をすでに迎えている場合には【満年齢+1歳】となります。
仏壇のお供えについて
仏壇にお供えしてはダメなもの
五辛(ごしん)です。五辛とは、文字にあるように「5つの辛い物」です。
仏教では、「にら」「にんにく」「ねぎ」「らっきょう」「のびる」の5つの植物や野菜のことを指します。
仏教の教えでは「無益な殺生をしてはいけない」とされていますので、肉や魚もいけません。
更に、臭い果物・腐りやすい果物はいけません、仏様が落ち着いて召し上がれなくなるからです。
汁が出やすい果物も、仏壇にお供えしてはいけない果物とされています。仏壇の前が汚れてしまうからです。
※曹洞宗に限って、お盆では桃をお供えするのはタブーとされています。
仏教は「三厭(さんえん)」と呼ばれる、鶏肉、魚肉、獣肉と、「五薫(ごくん)」と呼ばれる、ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ、ハジカミを抜いたものを用いてお膳を作ります。
浄土真宗
の食べ物をお供えする意味は、亡くなった人や仏様に食べていただく為ではなく、
阿弥陀如来のお恵みであると考え、感謝の気持をもってお供えをするという意味です。
真宗では、お供え物に使われるのは丸餅、お供えお餅の個数は、特に決まりがありません。
あんこが入っていないお餅のみの種類にする
弔事の法事は白のみ/慶事の法事は紅白
大きさは仏具にのるサイズ
白いお餅…四十九日法要・初盆・1周忌・三回忌といった法事の時。
紅白の餅…お仏壇を購入した時に行う入仏式などのお祝いの時。
紅白餅の場合は、紅が上で白が下になる。
お餅はできるだけ上の段に置くのがお飾りの基本で高さは、小高く盛ります。
供笥くげは、お供物くもつをお供えする時に使う仏具で供笥が、無ければ高坏でもよく半紙をひきます。
お仏飯ぶぱんを除いたお供物くもつの順位としては「1:お餅2:お菓子3:果物」の順です。
浄土真宗以外の宗派
宗派に多少の違いはりますが、先祖供養の意味合いが強く、
仏壇へのお供えはの基本は「五供(ごくう)」です。
・香
・花
・灯燭(とうしょく)、灯明(とうみょう)
・浄水
・飲食
を捧げます。
3.仏具について
仏具について
仏様を供養するための道具で、主な仏具は仏飯器(ぶっぱんき)・茶湯器(ちゃとうき)・仏器膳(ぶっきぜん)・高月(たかつき)・香炉(こうろ)・火立・花立・リン・リン棒
仏壇にご飯『仏飯器(ぶっぱんき)』
仏飯器 (ぶっぱんき)は、仏様にお供えをするごはんを入れる器です。 飲食供養に必要な供養具です。
- ご飯を入れて「飮食供養」に使う器で、全ての宗派で使われますが、浄土真宗系では仏飯器の数やご飯の盛り方等が変わりる場合もあります。浄土真宗では普通3つです。
それ以外の宗派では普通1つを使用するのが主流です。
- 浄土真宗大谷派では「盛曹(もっそう)」という仏具を使って筒状にご飯を盛ります。「お仏供(おぶく)」他にも香飯(こうはん)・お鉢(おはち)等、地域や宗派によって色々な言い方で呼ばれています。
※お供えしているのは「ご飯の湯気」といわれています。
※飮食供養:私達が食べているものと同じものを仏壇にお供えすることで、仏様やご先祖様と繋がることができると言われます。
お水・お茶『茶湯器(ちゃとうき)』
茶湯器(ちゃとうき・さとうき)は、仏様にお供えをするごはんと茶湯を入れる器です。 飲食供養に必要な供養具です。
- 臨済宗:仏壇にはお水とご飯をお供えしますが、寺院よっては更にお茶をお供えする場合もあります。
- 浄土真宗ではお仏壇とは亡くなった方を安置する場所ではないので、故人のノドが渇いてお茶や水を飲むという考え方がないので茶湯器は使わず「華瓶(けびょう)」という名の金銅・真鍮製の1対の壺に水を入れ「樒(しきみ)」を挿して「香水(こうずい)」としてご本尊に供えます。
樒には魔除けの効力があるとされ、香水を供えることで浄土の「八功徳水」の清らかで美味しい水を表現し、中の水を浄らかに保つ意味合いがあると言われます。一般的には、浄土真宗では茶湯器は使われません。
仏器膳
- お仏壇に置く仏飯器・仏器のためのお膳です。お水やお茶を入れた茶湯器やご飯を盛った仏飯器をのせて、一段高くした状態で仏壇にお供えするためのお膳です。浄土真宗では「仏器台」を使います。
高坏・浄土真宗では供笥(くげ)(本願寺派では六角形の供笥、真宗大谷派では八角形の供笥)
- 飮食供養として饅頭や果物など、仏様にお供えをする食物を盛る台
※飮食供養:私達が食べているものと同じものを仏壇にお供えすることで、仏様やご先祖様と繋がることができると言われます。
懐紙
- 慶事用:開眼(入仏)法要・通常の法要全般
- 弔事用:お通夜・葬儀
- 方向:山が自分の方に
仏壇のお花について
仏壇に仏花をお供えする仏具。
本来の意味は人間の仏に対する忍辱の誓いとして花を活けるとされるいるが、一般的には、仏様や先祖・故人に対して捧げいる方が多く、供えた人の心を穏やかにする効果もあります。
※忍辱(にんにく):僧侶の修行で「侮辱や苦しみに耐え忍び心を動かさない事」という意味。
- 一般的には、お花の本数は3本・5本・7本等、奇数が良いとされています。
- 適しているお花:菊、百日草、カーネーションなど
- 飾ってはいけない生花:毒や棘とげのある花・匂いが強い花
- 地域によっても習慣の違いがあります。
※最近ではお気持ち重視で自由にお供えされる方が増えています。
燈明/火立て・ロウソク立て・燭台
仏壇に置かれている灯供養のために使われるロウソクを立てる大切な仏具。
2本のうちの一方を「自灯明(じとうみょう)」、もう一方を「法灯明(ほうとうみょう)」を表しています。口から出る人間の息は、「穢れたもの」「不浄のもの」であるとされているので、ロウソクの火を息で吹き消さないようにします。消す場合は手指や専用の道具を
使って消します。
※自灯明:お釈迦様の灯り(教え)を役に立てて、自分を研鑽し覚りに近づくように努力する事。
※法灯明:何かに迷った時に仏法、仏の灯り(教え)が自分自身の頼り(明かり)となることを指します。
- 白ロウソク:葬儀を含め、ほとんどの法要に使います。
- 赤ろうそく:三回忌以降の法要やお正月、仏前結婚式などおめでたい時に使います。
※浄土真宗の場合は、おめでたい事や七回忌以降の法要・お彼岸・お盆にもを使います。
香炉仏壇に置かれている香炉は香供養のために使われる大切な仏具。
火舎・火舎香炉(かしゃこうろ)・土香炉・前香炉・長香炉。
※その香りは私たちの心身を浄化してくれるものとも考えられています。
※香を焚くと不浄を払い心識を清浄にするとされています。
- 火舎・火舎香炉:主に真宗系で使用する焼香用の香炉です。
- 土香炉:真宗系で使用する線香用の香炉です。
- 前香炉:線香炉とも呼び、線香を立てる際に使用する広い口の香炉です。
- 長香炉:線香をタテに寝かせて供えるタイプの香炉です。主に浄土真宗が多く、北陸地方で使われている
4.梵音具について
梵音具・ぼんおんぐについて
在家用として木魚(もくぎょ)・木鉦(もくしょう)・鉦(しょう、かね)といったものがございます。(梵音具。梵は「仏教の」という意味)
リン・リン棒
浄土真宗ではお鐘は、お勤め(読経など)をするときに使う道具です。ですから、お勤めをしない時は、あえて鳴らす必要のないものです。
- 読経の開始と終わりを合図し、読経中も調子を取る際にはリン棒でリンを叩き鳴らします。
※浄土真宗本願寺派:リン台は六角型もしくは丸形でリンの間に布団を乗せます。
※真宗大谷派:リン台は四角型を使用し上に雲輪(布団代わりの台)更に金襴輪をリンの間に乗せる。
(金襴輪とは、金襴を巻きつけた中心部が空洞になった輪型の仏具です。)
都市型仏具:仏壇にあった可愛らしいデザインの物が沢山あります。
木魚について
- 昼夜不眠とされた魚にたとえ,修行僧は怠けずに修行し励む意味が込められています。
鉦吾(しょうご)・鉦(しょう、かね)
木鉦(もくしょう)
その他の仏具
経机・御供机(おそなえつくえ)
仏壇の前に設置する卓のことです。経本を読む際に使うのが本来の使い方ですが、香炉やリンなどをのせる台としても使用しています。
経机は写経の時に筆が床に落ちないように両側に「筆返し」という突起があり、引き出しがついていて、中に筆や硯をしまうことができるようになっています。
御供机はその名の通り、お供え物を置くための場所です。御供机は、サイズが大きく、筆返しと引き出しはついていません。
2つの使い方は、仏壇の前にまず御供机を置いてその上にお供え物を乗せてその手前に経机を置き読経を行います。
経机には「経机 掛け」という専用の敷き物があり、経机の傷や線香の火から守ることができます。
- 塗型の経机は金仏壇用の経机です。金仏壇は漆塗りに金細工が施された伝統的で豪華なものです。縁取りには金箔も使われてい事が多い。
- 唐木型は唐木仏壇に合わせたタイプの経机です。
- 近年では都市型仏壇に合わせた多様なデザイン経机のが登場しており、御供机との違いはサイズぐらいで折り畳み出来るタイプもあります。
打ち敷(内敷)
打敷は仏壇を飾る装飾品です。所説ございますが釈迦の高座に、仏弟子たちが自分の衣服などを敷いたことが起源とも言われています。打敷には家紋、宗紋があしらわれることが多いです。家紋や宗紋以外には、鳳凰、花、華紋柄、竜、天女など、様々な柄があります。
- 浄土真宗本願寺派・真宗大谷派:「三角打敷」とも呼ばれ逆三角形の打敷を使用します。
- 浄土真宗以外の宗派:「四角打敷」とも呼ばれ四角形の打敷を使用します。
前卓/中卓(まえじょく/なかじょく)・上卓/華鋲卓(うわじょく/けびょうじょく)・和讃卓・御文章台
ご本尊の前、須弥壇上にのせるお机を「上卓あるいは華鋲卓」といいます。須弥壇の前におく机を「前卓あるいは中卓」といいます。和讃箱を置くための卓を「和讃卓」といいます。
お仏壇の外、左側に配置し、御文章箱を置く台を「御文章台」といいます。
※御文章とは、浄土真宗における蓮如(れんにょ)上人が広めた教えが書かれた文章のこと。
※「和讃」とは 、和語(日本語)で 仏 ・ 菩薩 ・ 高僧 の徳や教えを 讃 たたえる歌。
- 浄土真宗本願寺派・真宗大谷派:尊前を飾るもっとも大切なお仏具である燭台・香炉・花瓶を置くための机で、須弥壇の前におきます。
- 普通の卓は、文机の名残で、机の両端にそりを付けて、筆が転がり落ちるのを防ぐ役目をする筆返しという形を部分的に残した形式を踏襲していますが、上卓は護摩壇の系統を引くため、常に筆返しがありません。
お膳(霊供膳(りょうぐぜん)・供養膳・仏膳椀(ぶつぜんわん))
御霊供膳とは 四十九日・祥月命日・お盆・お彼岸に仏様、ご先祖様にお供えする小型の本膳を御霊供膳と呼んでいます。仏教における真宗以外の宗派でお仏壇にお供えするお膳のことで、白飯と一汁三菜からなる精進料理を指します。
※霊供膳は地域や宗派などによっては2つお供えすることがあります。一方が故人様の分、もう一方がご先祖様の分と言われています。(一方が故人様やご先祖様で、もう一方は無縁仏へのお供えとも言われています。)
- 霊供膳の盛りつけ方:「山盛り」・「てんこ盛り」
- 親椀(おやわん):白飯
- 汁椀(しるわん):お味噌汁やお吸い物
- 平椀(ひらわん):煮物
- 壺椀(つぼわん):煮豆や胡麻和え、なますといった和え物
- 高坏(たかつき):香の物(漬物)(2枚か4枚、3枚は「身を切る」と連想させますので避ける。)
- 霊供膳は地域や宗派など
- 霊供膳をお仏壇にお供えする際の一般的な並べ方としては、箸を仏前に向け、手前に親碗と汁椀を、その奥に平椀と壺椀を、お膳の中央に高坏を配置します。
主な霊供膳の並べ方
- 真言宗:壺椀が右上、平椀が左上、高坏が真ん中
- 禅宗:左上に平椀壺椀を真ん中、高杯を右上
- 浄土宗:壺椀が左上、中央に高坏平椀が右上。
廻し香炉
ご法事・お盆・お彼岸に座ったまま香炉自体を、皆様に廻しお焼香に使う仏具、参列者がその場で焼香をし次の参列者へ手渡し、
焼香台での焼香と同じように、一礼、宗旨宗派にかなった回数の焼香を行う。
5.法要について
法要作法
追善法要について
主な追善法要 | 十三仏 | 王 | 一般的なお布施(金額) | 御香典(親族以外) |
初七日(7日目・6日後)中陰(忌中) | 不動明王 | 秦広王 | 1万円~5万円 | 3千円~1万円 |
二七日(14日目・13日後)中陰(忌中) | 釈迦如来 | 初江王 | 1万円~5万円 | 3千円~5千円 |
三七日(21日目・20日後)中陰(忌中) | 文殊菩薩 | 宋帝王 | 1万円~5万円 | 3千円~5千円 |
四七日(28日目・27日後)中陰(忌中) | 普賢菩薩 | 五官王 | 1万円~5万円 | 3千円~5千円 |
五七日(35日目・34日後)中陰(忌中) | 地蔵菩薩 | 閻魔王 | 1万円~5万円 | 3千円~5千円 |
六七日(42日目・41日後)中陰(忌中) | 弥勒菩薩 | 変成王 | 1万円~5万円 | 3千円~5千円 |
七七日(49日目・48日後)満中陰(忌明け) | 薬師如来 | 泰山王 | 3万円~5万円 | 3千円~1万円 |
百か日(100日目・99日後) | 観音菩薩 | 平等王 | 3万円~5万円 | 3千円~1万円 |
一周忌(2年目・1年後) | 勢至菩薩 | 都市王 | 3万円~5万円 | 3千円~1万円 |
三回忌(3年目・2年後) | 阿弥陀如来 | 五道転輪王 | 1万円~5万円 | 3千円~1万円 |
七回忌(7年目・6年後) | 阿?如来 | 蓮華王 | 1万円~5万円 | 3千円~1万円 |
十三回忌(13年目・12年後) | 大日如来 | 慈恩王/祇園王 | 1万円~5万円 | 3千円~1万円 |
三十三回忌(33年目・32年後) | 虚空蔵菩薩 | 祇園王/法界王 | 1万円~5万円 | 3千円~1万円 |
※その他の追善法要:十七回忌・二十三回忌・二十七回忌・三十七回忌・四十三回忌・四十七回忌・五十回忌
本地垂迹/十三・十王/十三仏
亡くなった人を浄土に導く13人の仏様です。
初七日から33回忌まで、それぞれに担当が決まっています。
インドでは四十九日まででしたが、中国に伝わってから道教の十王思想の影響を受け、十の仏様が選定されます。そして十王に対する本地仏とされました。
日本では中世以降に三人の仏様が加わり、十三仏信仰が完成しました。簡単に言うと裁く十三王に対して救い手として本地仏が選定された。
※本地仏とは、仏様が人々を救うために神様という具体的な姿を借りて現れたもの。
神仏習合思想の発達したもの。
七本塔婆
葬儀が終わると、その後の法要として初七日(しょなのか)から四十九日(しじゅうくにち)までの7日ごと、7回の法要ごとに立てられる、7本の塔婆のことです。。
板塔婆
追善供養のために墓の脇になどに立てる木製の長い板のこと。 卒塔婆(そとうば、そとば)ともいう。
角塔婆
角塔婆はもともと、供養塔としての意味を持った五輪塔をルーツとする卒塔婆です
塔婆の書き方
・戒名・没年月日(命日)・経文・梵字・施主名
お布施について
本来、謝礼に決まった金額はありませんが、あまりに低い金額ですと失礼になりますので、最近では、紹介先の葬儀社か直接寺院に聞かれる方もおられます。
※僧侶の人数や寺院の格式よっては高額になります。
お布施の書き方
●丁寧な形では奉書紙を使用
香典やお布施を包む際は、お札を半紙に包み、水引きは無い奉書紙で包むことが正式な包み方です。
手順は以下の通りです。
奉書紙に表裏があります手触りがスベスベする面を表にし、ザラザラする面を裏にします。
お札の肖像画の面を上にして半紙に包みます。
奉書紙の中央にお札を包んだ半紙を縦に置きます。
半紙を包むように、右、左、下、上(慶事は右、左、上、下)と折りたたみます。
●のし袋の場合
※正式にはお布施とは僧侶に対し感謝なので水引きは不要とされています。
宗派や地域によりますが水引きする場合
四十九日までは白黒の水引ののし袋を使用します。
四十九日後は黄白色の水引ののし袋を使用します。
関西では白黒の水引は使用せず黄白の水引きを使用します。
「御布施」と記入し、下に自分の名前を書きます。
※追善法要と開眼法要・入仏法要など弔事と慶事をまとめる場合は弔事の水引が優先されます。
●開眼法要(魂入れ)・入仏法要
浄土真宗以外の場合:紅白ののし袋に開眼法要御布施・入魂式御布施、下に自分の名前を書きます。
浄土真宗の場合:紅白ののし袋に入仏法要御布施・入佛慶讃御礼、下に自分の名前を書きます。
交通費や宴席代をお渡しする場合は、それぞれ「御車料」「御膳料」と記入します
水引は結び切りです。「二度と繰り返さないでほしい」という思いで婚礼、全快祝い、弔事全般に使用します。
結び切りは水引を細結びにして解けないようにしてます。
交通費や宴席代をお渡しする場合は、それぞれ「御車料」「御膳料」と記入します。
※「お車代」を別途5,000円~1万円くらい・食事代として5,000~10,000円くらいの御膳料
※お経をあげてくれた僧侶に対して感謝の気持ちを伝えるためのものであるため、金額と住所に関してはあえて書かないといった選択肢もあります。
※同時に複数の法要をした場合
開眼法要と49日法要と同じ日の場合:基本は水引きの無いものを使用しますが、水引きを使用する場合:祝儀袋では無く不祝儀袋に入れます。
●御布施をお渡しする時には
切手盆を使ってお布施を渡す方法は、地域や宗派によって異なることがありますが、おおよそな手順を説明します。
お布施を自分の方に向けて切手盆にのせます。
お盆の右上を右手で、左下を左手で持ちましょう
両手でお盆をもって右回りにぐるっと回し、相手側から見てお布施が正しい向きになるようにします。
袱紗で代用について
袱紗で代用することも可能です。
袱紗「ふくさ」の包み方:弔事の包み方をします。ダイヤの形になるよう袱紗を広げ、中央より右側に封筒を置きます。弔事:左開き(右→下→上→左)の順に包みます。※慶事は右開き(中央より左側に封筒を置き左→上→下→右)
手渡しの方法:先方の目前でふくさを開いて金封を取り出し、先方が表書きを読める向きに両手で金封を差し出します。
袱紗の色(弔事)
緑色・藍・鼠色・藍・鼠色・うぐいす(慶事:赤などの暖色系)
※紫色は男女を問わず、かつ慶弔兼用色
袱紗の種類
掛袱紗:風呂敷タイプで正式の形の袱紗は四角く絹やちりめん等の素材、祝儀袋・不祝儀袋を出し袱紗をたたんで切手盆などに置き、両手で渡す。
台付き袱紗:略式の袱紗で生地がリバーシブルで弔事と慶事で兼用でき切手盆を使わない時に台があるので便利
爪付き袱紗:略式の袱紗です。袱紗が崩れないように留めるための爪や留め糸がございます。
金封袱紗:略式の袱紗で財布型、包む手間が無く形が崩れにくく、中身が落ちる心配が少ない。(弔事は左開き、慶事は右開き)
※色や包み方:追善法要と開眼法要・入仏法要など弔事と慶事が重なった場合は弔事が優先されます。
御香典について
香典を出すのは葬儀の日とされていましたが、現在は通夜、葬儀・告別式いずれかに持参します。一般的には、四十九日以前は「御霊前」、
四十九日後は「御仏前」を使います。(浄土真宗では霊の存在がありませんので「御仏前」が適当となります)
ご宗派が分からない場合:御仏前等より「御香料(ごこうりょう)」「御香資(ごこうし)」「御香奠(ごこうでん)」を使用した方が無難のようです。
(「お香をお供えします」という意味になりますので浄土真宗でも失礼にあたりません)
香典袋の氏名の書き方【連名の場合】
複数名の連名で香典を出す場合:右から上位者・目上の人を書きます。上位・下位等の区別がない場合は、五十音順で書きます。
金額:壱(一)、弐(ニ)、参(三)、阡(千)、萬(万)というように漢数字で書きます。
追善法要について
開眼法要・入仏法要[御移徙法要(ごいし)]
魂入れとは、お仏壇、位牌などを新しく購入した時に、僧侶に魂入れをしていただく儀式です。仏壇だけではなく、お墓を建てた時にも開眼法要として行われます。地域や宗派によっては、入魂式、御性根入れ等、の呼び方があります。
仏壇の魂入れは、仏壇に対して行う儀式と思われている方もいますが、御本尊、掛け軸、お位牌に対して開眼供養を行う法要です。(地域習俗の要素が高く仏壇本体を大切にされる寺院もあります)魂入れを行うまで、ご本尊や位牌は単なる物でしかなく、この儀式を行うことで、魂が宿り礼拝する対象となるのです。
開眼供養は、奈良時代から行われてきた伝統的な仏教行事です。※浄土真宗では御本尊、掛け軸、お位牌(高田派は使用しても良い)に魂入れの教えはなく、魂入れという儀式は行わず、入仏・御移徙(おわたまし)という法要を行ないます。真宗では、お経開きとして新しく仏壇を迎え初めてのお経をあげる前に開闢法要(かいびゃく)をされる場合もあります。
浄土真宗以外の宗派:開眼法要と呼び、お仏壇、位牌などを新しく購入した時に、僧侶に魂入れをしていただく儀式
浄土真宗:入仏法要と呼び、仏さまとのご縁を喜び、感謝するお勤めです。
用意するものは、香・花・ロウソク・水・飲食物の五供と言われています。具体的には、朱ロウソク・色花・赤飯・餅か紅白饅頭(常陽饅頭)・海・山・里の物・霊具膳・を用意される方が一般的です。禅宗では塩・酒・洗米をお供えする場合もあります。※最近では簡素化され朱ロウソク・色花・赤飯・餅か紅白饅頭で済まされる方が多いようです。
開眼法要は地域習俗の要素が高くご宗派や地域によって、お供えするものに違いがありますので菩提寺に確認した方が良いでしょう。
※『紅白饅頭・紅白餅』の飾り方
赤い饅頭はお客様から見て、右側に。
紅白餅なら赤の餅を上、白の餅を下に。
高月にお供えする。なければ普通の皿でもよい
※閉眼法要・遷仏法要
閉眼法要(魂抜き)とは、魂が宿るご本尊、位牌、墓移動や処分の時に行う法要。
浄土真宗(本願寺派・大谷派など)では、「(遷仏・遷座)法要」と呼び、閉眼法要という言い方は用いられません。
「遷仏」とは、入仏された霊験ある本尊(仏像・脇掛け)や聖なる物である墓石・仏壇・過去帳などを一時的に元の単なる造作物に戻すことを言い、「遷座」とは、本来鎮座していた場所を変えることを言います。浄土真宗の作法としての法要です。
仏壇本体は入れ物ですので、特に法要等の決まりはありません。
真宗では、仏壇を移動させる時は動座法要をし移動後、遷仏法要される場合があります。
四十九日法要・満中陰(忌明け)
亡くなってから四十九日までの期間を中陰(忌中)と呼び、故人の死に際しこの間身を慎みます。四十九日後は満中陰と言い、故人の魂が成仏する日とされています。死者の審理は通常七回行われます。 没して後七日ごとに中陰法要が行われ、秦広王(初七日)・初江王(十四日)・宋帝王(二十一日)・五官王(二十八日)・閻魔王(三十五日)・変成王(四十二日)・泰山王(四十九日)の順番で審理され、特に四十九日法要(忌明け法要)は大練忌とも呼ばれ仏道修行の終わり仏さまになられた大切な法要です。
- 四十九日餅
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亡くなった日から餅を1つずつお供えし、餅の数が全部で49個になった日を「四十九日」としたといいます。
四十九日餅の中でも「傘餅」の積み方は、小さな餅を六角形とその中心を作るように並べ、7個段にして、最後に大きな餅を上に、傘のように乗せます。傘餅は餅を重ねていくことから「重ね餅」とも呼ばれます。
忌明後
- 百カ日ひゃっかにち(命日も含めて100日目)
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- 「卒哭忌そつこくき」とも言われ、泣くことをやめ悲しみに区切りをつける日
※浄土真宗について浄土真宗では、亡くなった時に直ちに極楽浄土に往生するため、追善供養は一切ない。親鸞は「父母のためにと思って念仏を称えたことは一回もない」と言われています。
現在、浄土真宗の法要は、亡くなった方を偲び、仏の教えに接するという意味合いでの法要をしています。
- 一周忌(2年目・1年後)
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- 一周忌(2年目・1年後)
年忌法要の中でも喪中の終わる大切な法要です。
- 三回忌(3年目・2年後)
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- 三回忌(3年目・2年後)
年忌法要の中でも四十九日に転生が決まった後でも手厚い供養により再審され、その最後の審判が決まる大切な法要です。
- 七回忌(7年目・6年後)
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- 七回忌(7年目・6年後)
一定の年に営む習慣で、この供養をしないと死者が迷うと信じられています。
- 十三回忌(13年目・12年後)
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- 十三回忌(13年目・12年後)
一定の年に営む習慣で、この供養をしないと死者が迷うと信じられています。
- 三十三回忌(33年目・32年後)
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- 三十三回忌(33年目・32年後)
一定の年に営む習慣で、この供養か五十回忌で『弔い上げ』となる宗派が多い。。
※弔い上げ:日本の民俗では、弔い上げされた祖霊は村の氏神となると考えられました。
塔婆供養
塔婆とは、仏教的な宇宙観の五大要素である、空・風・火・水・地を現した五重塔が簡略化していったもで、塔婆供養とは、法要、お盆などの行事において墓の周りにこの「卒塔婆」を立てることで供養を行うことで卒塔婆供養は「追善供養」の1つ とされています。
お礼は「御塔婆料」3,000円から1万円程度
※浄土真宗について:塔婆はもちいない
法要の服装
法要の服装について
【男性の場合】ご遺族や近親者は正喪服か準喪服 招待されて参列する場合は:準喪服か略喪服【女性の場合】ご遺族や近親者は正喪服か準喪服、招待されて参列する場合は、準喪服か略喪服【子どもの場合】服装マナーは特に決められていませんが華美にならず白いシャツや黒・紺等のズボンやスカートを着用します。学生でいしたら制服を着用します。
6.お盆について
お盆について
お盆とは、祖先の霊を呼び寄せ供養する行事です。正式には「盂蘭盆会うらぼんえ」と言い、
時期については、地域よって違いがあります。
関西を含め全国的:8月15日を中心とした8月13日から8月16日の4日間です
東京を含め関東地方:7月15日を中心とした7月13日から16日の4日間です
※浄土真宗について:「歓喜会(かんぎえ)」と言い、仏法にふれる日とされています。。
施餓鬼法要
お盆時期にあわせ行われることが多く、餓鬼道に落ちて苦しんでいる霊を救うために、食べ物を施して供養する法要ですが、無縁仏(むえんぼとけ)を供養する法要でもあります。
※浄土真宗について:施餓鬼法要 は行われません
- 迎え火と送り火のやり方
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- 迎え火とは:ご先祖さまが迷わないようにする目印
- 送り火とは:ご先祖さまの魂があの世に旅立つのを祈って焚かれる火
- 迎え日→13日の夕刻 庭先や玄関先で焙烙皿の上で麻幹(おがら)を焚いて迎え火をします。
- 送り火、お盆の開け→15日か16日の夕刻 焙烙皿の上で麻幹(おがら)を焚いて迎え火をします。
- 麻幹(おがら)→麻の茎
- 焙烙皿(ほうろくざら)→素焼きの皿
- 初盆
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- 普通は親戚などを呼ぶことはなく家族のみで行いますが、初めて迎えるお盆を「初盆」と呼び、僧侶や親族・故人と親しかった人などを招いて特に手厚く法要や会食を行います。お亡くなりになってから日が浅いので、白い花を中心にまとめた花束が適しているとされています。盆提灯も白色が適しています。
- 精霊船
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- 初盆の終わりに、無事に極楽浄土までたどり着けるように、の願いを込めて、藁や木で作った船にお供え物を乗せ川や海に流します
- 盆棚・精霊棚(しょうりょうだな)
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- ご先祖さまの霊である精霊をお迎えするための棚のこと、位牌やお供え物を添えます。お盆の入りの12日の夕方から13日の朝に飾り付けるのが一般的
- マコモ(ゴザ)の敷物
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- 。お釈迦様がマコモで編んだ寝床に病人を寝かせて治療されたと言われている。魔よけの意味からもマコモを使うのが一般的
- 縄・笹竹
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- 日本では 笹・竹 は 神聖なもの とされていました。邪悪な霊が来ないように、縄や笹・竹で結界を張るためという説があります
- 盆提灯
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- 先祖や故人の霊が迷わず帰ってくる目印として飾ります
- 精霊馬(しょうりょううま)
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- キュウリでつくった動物、霊が家に帰ってくるときは、早く帰ってこられるように足の速い馬で。馬は仏壇の方に向ける。(地域によっては所説ございます)
- 精霊牛(しょうりょううし)
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- ナスでつくった動物、家から浄土に戻られるときは、たくさんのお土産を持てるように力のある牛で。牛は仏壇の逆方向に向ける。(地域によっては所説ございます)
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- お盆飾りのきゅうりとなすは、ヘタの方を馬や牛の頭とするのが一般的。
- 精霊馬の向きは、迎えるときは内向き・送るときは外向きとするのが一般的。
- 精霊花(盆花)
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- 「禊」は悪霊を払うという意味があるので、ミソハギをお盆の祭壇にお供えします。又、亡くなった方の霊が無事帰ってくることができるよう桔梗(キキョウ)お盆の祭壇にお供えします。
- ほうずき
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- 提灯に似ていることから盆提灯と同じ意味で、先祖や故人の霊が迷わず帰ってくる目印として飾ります
- 麻幹(おがら)の梯子(はしご)
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7.お彼岸について
お彼岸
春分の日・秋分の日を中日とし前後3日間それぞれ合計7日間がお彼岸とされて、一般的には、お墓参りをしたりする期間で他の仏教国には無く、日本の風習と仏教が結びついたと言われています。
※春分(3月)・秋分(9月)の日は国民の祝日。昼と夜の長さがほぼ同じ日
(昼夜・東西が平行になるお彼岸は、扉が開きあの世へ繋がるといわれてきた)
沖縄県と鹿児島県奄美地方:お墓参りに行かず(火の神様)や、(仏壇)にお供えし健康や厄除けをお祈りします。
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- 秋は萩の花が咲くことからお供えには『おはぎ』、春は牡丹の花が咲くことから、お供えには『ぼた餅』を供えます
- 初めて迎えるお彼岸を初彼岸と言います
お墓について
日本における墓は、墓参りなどの習慣はなく、従来の日本では全く墓は重視されなかったとしている。
阿弥陀仏の極楽世界、釈迦仏の霊山浄土、大日如来の密厳世界など、死ねば浄土に導かれると説きます。仏教的な価値観からすれば仏陀の骨でもない限り、特別な扱いはしないものですからね。それを信じ、「南無阿弥陀仏」「南無釈迦牟尼」「南無妙法蓮華経」「南無大師遍照金剛」などを唱えていればよい。だから仏教においては墓は造らないでよいし、むしろ造らない方がよいのです。
江戸時代は、今よりもお骨の扱いがすごく雑でした。お骨に対する信仰みたいなものというのは当時はあまりなく、基本的に、埋め墓と祭り墓というものがあり、この埋め墓といってもほとんど塚みたいなものでした。
先祖代々続くお墓の場合は、先祖と自分たちや子孫との繋がりを感じることができる場所でもあります。
- 「継承墓(けいしょうぼ)・家墓(いえはか)・合祀墓(代々墓)
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- 竿石に「○○家之墓」などと彫るタイプのお墓で、家墓は家族が代々入る一般的なお墓です。
家墓は親から子へ、子から孫へと代々受け継がれていくお墓で、家族の遺骨を合祀するお墓です。
- 「本尊墓」
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- 竿石に「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」なとと彫るタイプのお墓です。
亡き人を仏と見て拝むお墓で、宗派に沿った語句を彫り入れます。
「○○家」とは彫らないので、承継者以外の姓の違う子どもなども入ることができます。
なお、本来、仏教には家の概念はなく、亡き人は仏弟子として出家するため、家墓ではなく本尊墓が正式とされます。
- 「個人墓」
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- 特定の1人だけの遺骨を納めるお墓が個人墓です。個人墓では、お墓を承継する人がいないので、お墓の管理については永代供養の契約を結ぶ必要があります。
- 「夫婦/比翼墓」
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- 1つのお墓で夫婦二人の供養ができるようにと作られるお墓です。
- 「会社墓・団体墓」
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- 会社や団体に貢献した人々を合祀するため、それらの会社や団体がつくった墓。
- 自然葬とは
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- 石のお墓ではなく、海や山などの大自然に遺骨や遺灰を還す葬法のことです。
- 墓石の種類
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お墓開き(開眼供養魂入れ・建碑法要)
真言宗(しんごんしゅう)でお墓開き、開眼供養(かいげん)
臨済宗(りんざいしゅう)でお墓開き、開眼供養(かいげん)
浄土真宗でお墓開き、建碑法要(けんぴほうよう)
- 浄土真宗では、お墓の方角や形や大きさ、積み方はこだわらない
- 浄土真宗では、墓石の正面には「先祖代々」や「故人の名前」、「○○家の墓」ではなく、「南無阿弥陀仏」や「?会一処(くえいっしょ)」を刻む
- 浄土真宗では、水受け(水鉢)は無くてもよく、お墓の完成後に建碑式をする。
8.寺院の参拝について
寺院の参拝方法
宗派や寺院の事に詳細な参拝方法はございますが、基本的な事をご紹介します。一、山門で拝礼 二、ひしゃく使って「左手、右手、口」の順に清める最後にひしゃく持ち手の部分も清めますひしゃくを戻す。 三、常香炉があれば煙で体を清める 四、ご本尊に向かい賽銭を入れます 五、ご本尊手を合わせ唱名(お念仏・お題目)をおとなえします。 六、ご本尊に一礼をする
※・唱名(お念仏・お題目)とは仏の名前を唱えることです。
- 真言宗(しんごんしゅう)
- 唱名:南無大師遍照金剛 (なむだいしへんじょうこんごう)
- 天台宗(てんだいしゅう)
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唱名:南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)※阿弥陀如来を崇拝している宗派では唱名をお念仏といいます。
- 日蓮系宗派(にちれん)
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お題目:南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)※日蓮系宗では考え方の違いから唱名をお題目と言います。
- 浄土宗(じょうどしゅう)
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唱名:南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
- 浄土真宗(じょうどしんしゅう)
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唱名:南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
- 融通念仏宗(ゆうずうねんぶつしゅう)
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唱名:南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
- 時宗(じしゅう)
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唱名:南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)
- 臨済宗(りんざいしゅう)
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唱名:南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)
- 曹洞宗(そうとうしゅう)
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唱名:南無釈迦牟尼仏(なむしゃかむにぶつ)
- 黄檗宗(おうばくしゅう)
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唱名:南無釈迦牟尼佛